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スローライフVo.11/伝統行事「流鏑馬」
河口湖では毎年ゴールデンウィークの頃に、湖の南側に位置する通称、シッコゴ公園にて「流鏑馬祭り」(やぶさめ)が開催される。
「流鏑馬」とは、疾駆する馬上より弓矢を用いて的を射る神事で、日本古来の伝統行事である。
その起源は、第29代欽明天皇の御代、国の内外が乱れたので、これを平定するに先立ち、豊前国字佐の地に神功天皇、応神天皇の二柱を祀られ、神前において天下不定、五穀豊穣を祈られ、馬上より三個の的を射られたのが「矢馳馬」と云い、後に「流鏑馬」と転じたと云う。
つまり国の平和と作物の豊作を願って行われた訳だが、我が地元だけではなく、鎌倉や富山県の下村でも行われており、古代より実戦に役立てたことも事実ながら、披露する馬術として現在に伝わっている。
今年は五月晴れの気持ちの良い風の中で「流鏑馬祭り」が開催され、これに先立ち、伝統芸能である「流鏑馬太鼓」も披露され、地元の人たちや、外国からの観光客を含め、多くの見物客で賑わった。
我々のライフスタイルのほとんどが欧米化してしまった現在に於いて、このような日本古来の伝統文化が継承されることは、誠に尊ばれるべきことだ。
莫大な経費をつぎ込んで、「ハーブ館」や「オルゴール・ミュウジアム」と云った、国籍不明の派手なハコモノばかりを建設する観光地の在り方に、一石を投じてくれることを願うばかりである。
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