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スローライフVo.7/家族の共有ファイル


 人生には様々な幸せが存在する。
 お金持ちになったり、社会的地位の向上であったり、それぞれの価値観によって、その幸福度も違ってくるだろうが、親として、自分の趣味を子ども達と共有する喜び。この幸せもまた格別なものだとボクは思う。
 昨年の春、娘は高校入学と同時にヨット部に入部し、「フライング・ジュニア」と云うタイプのディンギーを、放課後、毎日のように操っている。昨夏、久々に一緒にセーリングしたが、今ではティラーをボクより巧みに操作している。
 下の息子二人はこの2、3年、スキーからスノウボードに転向して悪戦苦闘を重ねていたが、昨シーズンくらいからターンも完璧にこなすようになり、長男は小さなコブを見つけると、器用にジャンプもこなす。次男はその様子を憧憬の眼差しで見つめ、自分も転びながらもトライしている。
 見ている親としては、ケガが心配でハラハラしつつも、思わず頬が緩む瞬間でもある。  子ども達に自分の趣味を教えることは根気が必要な作業である。
 子どもとしても親に対する甘えがあるし、親の側にしても自分の思い入れが強過ぎる部分もある。しかしそれらを克服して、その趣味の醍醐味を彼らが見つけた時、それまでの苦労がすべて報われ、親として深い幸福感に浸れるのである。
 まあそれと同時に、彼らに道具を買い与えると云う経済的な負担も生まれる訳だが、それはこの際、目を瞑ることにしようじゃないの・・・。

 


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