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スローライフVo.1/カヌー
ボクが湖畔の暮らしを選んだ第1の理由はカヌーだ。
暮らしの中にいつもカヌーを・・・そのように思い続けて、それは8年前に実現した。が、実際に湖畔に住んでみると、その楽しみはカヌーだけではないことに気付く。
裏山を登れば、毎朝、表情を変える富士の雄大な景色が広がり、樹海を散策すれば、古代の原生林の世界にまぎれこむことができる。
湖でも、風がない日はカヌー、風が吹けばセーリング・ディンギーと、どんなコンディションでも遊びに事欠くことはない。
しかし早朝の静かな湖をカヌーで漕ぎ出す楽しみは、未だ色褪せずにボクの暮らしの核となっている。
薄明かりの湖上を漂っていると、東の空から優しい朝陽が登り始め、新しい一日を始めるすべての者に活力を与える。
木々、小さな虫、鳥、そしてボクたち・・・美しい輝きと共に、今日もまた、大いなる恩恵を与えてくれるのだ。
たしかに都市生活に比べると不便なことも多い。だがそれを補ってもなお、余りあるほど、この暮らしは豊かな情景に溢れている。
湖畔の8回目の夏が、ゆっくりとやってきた。
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