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スローライフVo.27/雲の上の散歩
今から8年ほど前に、イタリアのトスカーナ地方を小さなレンタカーを借りて旅したことがある。
ミラノから南下しフィレンツェに入り、そこからシエナやルッカなど、中世の面影が残る小さな街を訪ね歩いた。
ミラノからフィレンツェへと向う道は高速道路を使うが、そこから先はトスカーナの美しい田園風景が拡がる中、官能的とさえ言える素敵なドライヴウェイが続く。
その道中、一組のカップルに出会った。
派手なサイクリング・ジャージを上下に纏ったイタリア人の若いカップルで、懸命にクランクを廻し、なだらかな丘をゆっくりとした速度で駆け登っている。
車で追い越しざまにふと気付くと、男性の手が女性サイクリストの腰に伸び、坂を登る手助けをしている。
その光景が、夕陽で黄金に染まる田園風景の中で、一際、美しく輝く印象となって、ボクの胸深くに残った。
そのイタリア旅行から帰って、ボクは以前より多くの時間をマウテンバイクに跨ることに費やした。
オフロードを走る時もあれば、きれいに整備されたオンロードを走る時もある。妻と二人の時もあれば、家族全員の時も。
写真は、自宅からスバルラインを経由して、富士山五合目を目指して走った時のモノ。
冨士五合目は標高約2500メートル。
長男は張り切りすぎて酸素不足に陥り、ご覧のように五合目で倒れていたが、下りの時はそのスピード感に次男と共に大喜びで、また近いうちに連れて行ってくれと上機嫌だった。
今月末、このスバルラインを五合目まで駆け登る、ヒルクライムレースの第一回目が開催されると云う。
車に乗らないで、自転車で富士山の中腹まで登って行く、からだと心の爽快感を、少しでも多くの人に味わって欲しいものである。
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