と言っても、走ることに興味のない人にとっては、写真を見てもまったくなにに使う道具か見当が付かないと思うが、これらを使って走行距離を測るのである。
写真左側がフット・ポッドで靴に装着して使用する。右側の円盤みたいに丸い形をしているのがGPSポッドで、その名の示すとおり、衛星から自分の位置を割り出し、その移動距離を測定するのである。フット・ポッドの方は単純に説明すると、歩幅で計測する仕組みになっている。
そこで疑問が生まれる。
GPSは理解できる。今時の衛星の捕捉精度はかなり高いので、誤差数%で距離測定が可能だ。しかし歩幅となると個人差が生まれる。しかも同一人物が装着しても、走る速さによって歩幅は違ってくる。それでも正確に距離が測定できるのか?
実は双方の機器共に「カリブレイト(補正)」という機能が付いている。
例えばきちんと距離表示してある場所に行って400メートルでもいいし、1000メートルでもいいから走ってみる。で、実際の距離と時計が示す距離(もちろん双方の機器は時計と連動している)距離が違えば、その時点で補正する。
こうすれば同じ速度で走っていれば、誤差2%以内で距離が計測できる。GPSポッドの場合はこのカリブレイトは不要だが、フット・ポッドは必要だ。では速度の違いはどうするのか?
例えば、キロ6分で走る場合のカリブレイト値と、キロ5分で走る場合のカリブレイト値を予め測定しておけばいいのだ。
ちなみに今朝、西湖でカリブレイト値を計測してみた。
西湖は一周約10キロで、1キロごとにポイントが立ててある。
まずはウォームアップでキロ6分半で走ってみる。するとカリブレイト値は960を示した。
次にキロ5分で走ってみる。するとカリブレイト値は985だった。さらにスピードアップしてキロ4分で走る。この時点でカリブレイト値はちょうど1000となった。
つまりボクの場合、カリブレイト値1000が、実測の1000メートルときちんとシンクロする。
それではスピードを変える度に、いちいち立ち止まってこのカリブレイト値の補正を行わなければならないのか? そんなことはない。自分のカリブレイト値がきちんと分かっていれば、平均スピードのカリブレイト値を入力して走れば、かなり正確に距離計測が可能となるのである。
今も言ったように、西湖は一周約10キロ、東京の駒沢公園は約2,2キロ、代々木公園が1,7キロ、皇居が約5キロ。(すべてこれまで走った記憶だけに頼っているので、誤差はご勘弁を)このように予め走るコースの距離が判っているところであれば、それなりにペース配分も可能だが、それ以外のコースを走る、あるいは初めて走るコースは、まったく距離が掴めない。そういう場合に、これらの機器が非常に役立つのだ。もちろんスントの時計は心拍数とも連動している。
自分の心拍数、それと走る速さ、それに距離がシンクロしていれば、どこでもきちんとしたトレーニング・プログラムで走れる。
もはやトレーニングは「根性」ではなく、完璧な「科学」に基づいて行われるのである。
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