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今回の旅の第2ステージである「しまなみ海道」へと向かう。
「しまなみ海道」とは、正しくは「西瀬戸自動車道」のことで、広島の尾道から愛媛の今治までの約70㌔を、島々と橋で、本州と四国を結んでいる。
尾道のすぐ隣、「向島」から始まって「因島」「生口島」「大三島」「伯方島」「大島」の6つの島々を越えて四国の今治に続く。もちろん正式名称の示す通り、そこは有料の自動車道なのだが、その側道には自転車や歩行者が通行可能な道が繋がり、「サイクリストたちの聖地」としても知られている。
しかしすでに報告したように、この道沿いのキャンプ場の殆どがペットの入場を禁止しており、唯一、ペット入場可能なキャンプ場「尾道マリンセンター」に宿泊することにした。名前は「尾道マリンセンター」だが、場所は「向島」の南端に位置しており、目の前には穏やかな瀬戸内の海が拡がっている。
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で、せっかく尾道まで行くのだから倉敷の町を素通りすることはないと思い、少し寄ってみた。倉敷、特に「美観地区」は、天領時代の町並みをよく残している。
江戸時代初期(1642年)、ここが江戸幕府の「天領」に定められた際に、倉敷代官所が当地区に設けられ、以来、備中国南部の物資の集散地として発展した歴史を持つ。倉敷川の畔から鶴形山南側の街道一帯に白壁なまこ壁の屋敷や蔵が並び、当時の面影をそのまま残している。
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我々が訪れた時は、この町のどこかの屋敷跡で結婚式が執り行われたらしく、羽織袴の新郎と美しい着物姿の新婦が、倉敷川の畔をゆっくりと歩いていた。そこに時折、雪が舞い、その雪が日本の美しさを一層、引き立てていたのだった。
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