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日本再発見2015 その5

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 「孫太郎オートキャンプ場」からクルマで約20分(無料高速道路)で「道の駅 海山」に到着する。その「道の駅 海山」にクルマを停め、歩いて3分ほどで「馬越峠」の登山道の取り付き口だ。ここからJR尾鷲の駅まで約5㌔の道が続いており、トレイルを歩き終われば、そこからバスに乗って戻ってきて、クルマをピックアップするつもりだ。

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 「馬越峠」を歩き始めると、まずその石畳の道の美しさに引き込まれる。その道幅はかつて巡見使たちが担いだ籠に合わせて一間半(2,7㍍)の幅があり、石畳と言えどもかなり巨大な岩がランダムに埋め込まれている。この辺りは年間を通じて多雨地域で、雨が降ると道が泥濘む。それを防ぐために江戸時代にこの道が石畳で整備された。エジプトのピラミッドも多くの人々の苦難の上に建造されたと思うが、この巨大な岩を敷き詰めた石畳の道を歩くと、一歩、一歩、先人たちの労苦が偲ばれる。

 「馬越峠」の峠から横道に逸れると、その道は天狗倉山に続いており、せっかくなのでそこにも寄ってみることにした。頂上からは尾鷲湾が綺麗に見渡せ、この山道が海に近いことを再認識させられる。なるほど、出発地である道の駅が、「海山」というネーミングも頷けるのである。

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 トレイルを歩き終わって、クルマを取りに行くためにバスに揺られていると、なんだか遠くに来たなあ・・・と突然、深い旅情に包まれる。このようなローカルの公共交通機関を使うのも、旅の風情を盛り上げてくれるのだ。

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    木村東吉
    1958 年大阪生まれ。
    20代は雑誌「ポパイ」の顔としてファッションモデルとして活躍したが、その後、30 代に入りアウトドア関連の著作を多数執筆。
    現在は河口湖に拠点を置き、執筆、取材、キャンプ教室の指導、講演など、幅広く活動している。
    また各企業の広告などにも数多く出演しており、そのアドバイザーも務めている。

    詳しいプロフィールはこちら

    木村東吉公式サイト「グレートアウトドア」

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