我が家には「スパーキー」という名の、来月で7歳になる雑種の大型犬がいる。甲府市内で、捨て犬の里親を探す「レスキュー犬」の活動をされているグループから貰ってきた犬だ。
秋田犬系の雑種と、ゴールデンレトリバー系の雑種の両親から生れたスパーキーは、秋田犬の血を引く黒い顔をしているが、全身はほぼゴールデンで、茶色のフサフサした巻き毛に覆われてる。
最初、ネットで「捨て犬情報」を見た時に、真っ黒い顔をした目付きの悪いスパーキーを見て「こいつだけは飼うのを止めようと」と、心の中で決めていたが、実際に会ってみると、6頭くらい居た兄弟姉妹犬の中でもっとも元気良く、ボクの腕に飛び込んで来る。他の仔犬を抱こうとしても、横から割り込んで来て「ねえ、ねえ、ボクを抱いて!」とせがむ。その弾けっぷりに思わず「スパーキー」と名付けて連れ帰った。
生後2ヶ月ですでに12㌔あったスパーキーはぐんぐんと成長して、今では35㌔にもなった。毎朝、自由に山々を駆けまわり、どこに行くのにも一緒に連れて行ったので、まったくストレスはないと思っていたが、そんなスパーキーが不治の病に罹ってしまった。
昨年の年末、突然、まったく食事を食べなくなり、4日目に病院に連れて行ったら、採血できないほどに血液がドロドロで、診断された病名が「アジソン病」。ストレスを自分で発散できない病気で、これから一生涯、薬を飲み続けなければならない。
思い返せば5歳ぐらいまではどこにでも連れて行ったが、一昨年からキャンプ場のオペレートをするようになって、このところ留守番させることが多かった。それに河口湖の冬は寒さが厳しく、加齢によって寒さへの対応が辛くなったかもしれない。
病気の原因はあれこれ考えられるが、要するに、スパーキーは我々の愛情がもっと欲しかったのかもしれない。
もちろん犬などの動物は人間の言葉を話すことが出来ないが、スパーキーは不治の病に罹ることによってより深い愛情を欲したのだと思う。
アジソン病の特徴の一つとして、水分をやたらと大量に摂取するが、ボウルに水が無くなると、そのボウルを足でゴロンゴロンと打ち鳴らして水を催促するし、トイレに行きたい時には、こっちの顔を凝視する。ヤツはヤツなりに、きちんと人間とコミュニケーションを取ろうとしているのだ。きっとそれに気付いてやることが出来なかったのだろう。
薬を飲み続けて居る限り、極端にストレスを与えない限り、スパーキーは発病以前と比較して、まったく問題なく元気である。まだ7歳なのでもう少し元気に生きて欲しい。なんと言っても、ボクの「犬人生」の中でもっとも優しく、忠実で、とてもいいヤツなのだ。
その名の通り、いつまでも元気に弾けて欲しいのである。
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