同じ夕暮れ時なのに、金曜日や土曜日と、日曜日のそれとは大きく違う気がするのは何故だろう。
幼い頃、夜9時から始まる「日曜ロードショー」(例のヨドチョーさんの「サイナラ、サイナラの)を観終えて眠る前の、あの寂しさに通じる寂寥感である。
都会で暮らして居る頃からそれは感じていたが、河口湖に暮らし始めてから益々、その感情が強く湧き出るようになった。
それはこのあたりが観光地で、週末の賑わいと、皆が帰って行ったあとの静寂のコントラストが強いせいだと思う。
だがボクはこの日曜日の夕暮れの寂寥感が好きだ。特にゴールデンウィークの最終日、あるいは初冬の河口湖マラソンの後の湖畔など、多くの人々が去っていった後の静けさは、人生を深く振り返る時でもある。
今年の春からキャンプ場のプロデュースを始め、特に週末はキャンプ場にずっと滞在している。
金曜日や土曜日の朝から賑わい始め、土曜日の夕刻にはそれがピークに達し、キャンパーの会話や調理する薫りが、湖から吹く風に乗って賑やかに林の中をこだまする。
そして日曜日。午前中に撤収を始めるキャンパーたちは昼過ぎに帰って行き、のんびりと寛ぐキャンパーたちも、遅くても夕方の5時頃には帰路に着く。
誰も居なくなった湖畔はいつもの静寂を取り戻すが、その静寂は、以前の静寂より、より深く静かに孤独な深淵へと落ちていく。その時間は自分にとって、あらゆる事象に正面から向かい合う時でもある。
目まぐるしい社会にあって、そういう時を一瞬でも感じることが、自分にとってはいつの時でも大切なのである。
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