走り始めてしばらくすると、心拍数がある程度上がった時点で、カラダは酸素を有効に使って脂肪を燃焼してエネルギーとして変換する。これがいわゆる「有酸素運動-エアロヴィクス」と言われているモノである。
で、さらにスピードを上げて行くと息が苦しくなり、筋肉中に疲労物質である乳酸が溜まり始め、「ああもうダメ!これ以上走れない...」という状態になる。この状態を「無酸素運動-アネロヴィクス」という。
この有酸素運動から無酸素運動に変わるポイントをAT(Ananerobic Threshold )ポイントと言うが、このATポイントより少し低いくらいの心拍数で走り続けるのが、心肺機能を高めるのに有効だとされている。
もちろん有酸素運動のもっとも低いゾーンで長く走り続ける(LSD)も脂肪を効率よく燃焼させ、スタミナアップの効果があると言われているが、レース本番においても、練習時においても、自分自身のATポイントを知ることは重要だ。
だがこのATポイントの算出方法が難しい。科学的にきちんと算出するのには高価な機器を使わなければならず、方程式には個々のバラツキが生じる。特に体重によって心拍数は大きく異なる。
そこで「マフェトン理論」で言われている「180」公式を取り入れる。180から自分の年齢を引いた数値、これが有酸素運動のもっとも効率のいいゾーンだとする。例えば40歳の人なら140だ。で、そこから徐々にスピードアップして行き、どれくらいの心拍数なら長く(少なくとも30分以上)走り続けることができるか? その持続可能なギリギリの心拍数が、自分のATポイントである。些かプリミティブな算出の仕方ではあるが、経験上これがすべての人に当てはまるのだ。
体重、心肺機能、経験、体質などによってATポイントが違って来ると思われるが、例えばボクの場合は10キロのレースならATポイントよりさらに心拍数を10近く上げて走ることができるが、ハーフマラソンならATポイントぎりぎり、フルマラソンならATポイントを5ほど低めで走り切る。
このように自分自身のATポイントの目安を持っていれば、様々なレースにおいて、自分の持てるパフォーマンスをぎりぎりまで発揮できるのだ。
つまりATポイントというのはサーモスタットのような役割をするのだ。
そして週に一度くらいの割合で、ATポイントより5%位低い心拍数で長いランをこなせば、ATポイントそのものが上がる。つまり高心拍数で長時間走れるようになれるのだ。言い換えれば有酸素運動のゾーンが高くなる(拡がる)とも言える。
ということで、ワラーチを履いて走っているので、その姿はとてもプリミティブなのだが、実は科学的な検証の上に日々、トレーニングを続けているのである。
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