昨日、浦安の海岸でカヌーで遭難した男女の遺体が発見されたというニュースを読んだ。
まさかその時には、その男の方が自分の友人だとは思いもしなかった。
ところが数時間後に共通の友人から電話が入り、その遺体が友のモノであることを知った。
彼とはすごく親しい仲ではない。だが昨年は一緒に上高地の徳沢園でキャンプを楽しみ、
そこから走って奥穂高の山頂を目指した。結果的には頂上付近が雪の為、穂高岳山荘の前で断念したが、いつかこのリベンジを一緒に果たそうと約束した。
また彼は星野道夫さんの愛読者でもあった。
はにかみながら「妻との初デートが星野さんの写真展だった」と語った彼の顔が忘れられない。
先月の中旬に我が家で開催された上高地キャンプの反省会と称する宴会では、しこたま酒を呑んで踊り、歌い、最後には意識を失くすまで楽しんだ。
翌日、呑み過ぎてバツの悪い表情を浮かべる彼に、「必ず返してくれ!」と言って、星野道夫さんのエッセイを何冊か貸した。
そしてまた一緒に走って呑もうと約束した。
奴は貸した本も返さず、穂高岳へのリベンジも果たさず、再び馬鹿騒ぎする約束も果たさず、強風吹き荒れる2月の冷たい海で終果てた。
寒かっただろうな・・・怖かっただろうな・・・
だがアドベンチャー好きな彼にとっては、ある意味、相応しい最後かもしれない。
が、遺された我々にとってはあまりにも辛い別れだ。
「トウキチさん、あんな細いピッケルの先に自分の命を預けるなんて・・・ボクはアイスクライミングなんてやりたくない!」と、酒に酔いながらも真剣に語っていたのに、こんな時期に海に出て・・・
もしももう一度会えるなら、その思いが叶うなら、いろいろな約束を守らなかったことと、こんな無謀な旅に出たことを、思いっきり怒鳴ってやりたい。
馬鹿野郎!!
このニュース見ました。東吉さんのお知り合いだったとは…
ご冥福をお祈りします。合掌。