一昨日の夜、神戸から河口湖に戻ってきて、昨日の朝は足和田山を走った。
スパーキーは長旅から開放されるように、元気に山道を駆け抜け、途中、二頭の大きな鹿を追いかけ、久しぶりに自由な散歩を楽しんでいた。
河口湖の紅葉のピークは過ぎ去り、富士山は完全に冬の表情に変化していた。
我々のバトンと、みんなから励ましのメッセージを書いてもらったバナーは、すでに「BERT」のライダーによって盛岡に運ばれ、もう間もなく、写真家の山田周生氏の手によって釜石にある「津波記念石」に到着するはずだ。
こうして連綿とみんなの思いが繋がっていく。
片山敬済氏の報告によれば、我々が18日間走る続けている間に直接受け取った支援金は58800円で、それ以外にも「BERT」の口座にも支援金が集まっている。ただひとつだけ理っておかなければならないのは、古い友人である外山氏から弁天島で受け取った支援金1万円は、今回のプロジェクト中に我々の食費等に消えた。外山氏がそれを我々に手渡す時に「これは被災地への支援金ではなく、トウキチさんに温かいモノを食べて欲しいからです」と言って頂いたからだ。そのことだけは、ここできちんと報告しておきたかった。
その外山氏からのキャッシュ以外は、すでにこのブログで報告したように、多くの方からの差し入れや、現場での手作り料理の振る舞いによって、このプロジェクトは支えられた。
こうして数字にすれば、正直に言って我々の活動は微々たるモノしか生み出していないような気がするが、少なくともボクの心には、計り知れない大きモノを植え付けた。
これまでにも「貨幣価値」に付いて疑問を抱いていたが、今回のプロジェクトを通じてそのことに付いて再認識し、今後はその問題についても取り組んで行きたいと思っている。
人の心の価値を、貨幣に換算するのには無理がある。
足和田山を走り終え、熱いシャワー浴び、最後の朝食を済ませ、ケイは自分が住む横浜に帰って行った。
バス停で長い抱擁を交わし、近い将来また一緒に旅をしようと誓った。バスに乗り込み、車窓から割れるような笑顔で手を振るケイ。
ふと気が付くと、バス停にクリスマス・ソングが流れていた。
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