先日、知り合いの女性たちが1000㏄クラスの大型バイクに乗って都内からやってきた。
その女性たちとは、ボクが「二輪キャンプ飯」というタイトルで料理連載をしていた「MotoNavi」というバイク雑誌の編集部の女性とその仲間たちで、連載中からずっとフリークライミングに行こうと約束していた。
その連載の撮影中、西湖の北岸に位置する十二ヶ岳の中腹に見える荒々しい岩壁を指さし、「あの壁は初心者でも登れるクライミングエリアだよ!」と教えたところ、その編集の女性が「いつかは行ってみたい」と希望し、連載終了後にそれがようやく実現したのだった。
クライミングに関する道具類はかなりマニアックなので、一般の人々はほとんど持ちあわせていない。だから今回も彼女たちに「なにも用意するものはないよ」と伝えてあった。が、「ついでにカヌーもやろうよ!」と提案してあったので、「水に濡れてもいいカッコ」は準備するように言ってあった。
このようにアウトドア・スポーツを一緒に楽しむ際に、こちらから準備するべきモノと、先方に準備してもらうモノのリストをメール等で照らし合わせ、不備がないようにチェックするのだが、今回はほとんど彼女たちからも質問もなかった。
で、当日。
我が家に着いた途端にクライミングに行き、その日は戻ってきて夕食。で、翌日は朝から足和田山に登り、頂上で朝食。そして下山後にもう一人の女性がやはり大型バイクで合流してカヌーを満喫し、その後、遅めのランチを済ませて帰って行った。
このようにクライミング、トレッキング、カヌーと一緒に楽しんだが、彼女たちはきちんとそれらのスポーツに対応するウエアを揃え(汗をかき、水に濡れ、荒れた山道を歩き、バイクで往復するという)、それぞれに楽しんでいた。
いくら大型バイクとは言え、積んでくるウエアや道具は限られている。ましてやスマートなイタリア製のバイクなので、積めるのはごくごく少量の荷物に厳選される。が、彼女たちは難なくそれらをこなした。
それを見ていた我がアシスタントが言った。
「バイクに乗る女性ってカッコいい。そのカッコ良さは、きっと自立しているカッコ良さだと思う」
確かにヘルメットを脱いだ瞬間に、ロングヘアがはらりと流れる女性ライダーは魅力的だ。だが彼女たちの美しさの本質は外見ではなく「自立している」ということの内面から発せられるモノだ。いくら大勢のツアーであっても、いざという時にはたった独りで対応しなければならないことがライダーには求められる。それらに対する対応能力がなければ、ライセンスとバイクだけでは一人前のライダーにはなれないのだ。
自分自身でも一時期は大型バイクに乗っていたが、今回、改めて女性ライダーの自立に気付かされた。
自立した女性の美しさやその魅力を、もう少し詳しく検証してみたいと思うが、それは次回に譲ろう。
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