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いったい山は誰のモノ?

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 「道普請」

 この言葉を知ったのは、世界遺産にも登録されている「熊野古道」のボランティアの人々の活動からで、多くの人々が歩くこの道を、地元のボランティアが整備する姿をテレビ番組で紹介していて、その活動を「道普請」と呼んでいた。

 いったい誰にとってのいい山か?

 人間にとってか? 獣たちにとってか? あるいは植物にとってか?

 その問いには誰も答えることができないと思うが、先日、開催されたUTMF(ウルトラ・トレイル・マウント・富士)によって、我が裏山である足和田山のトレイルにも、良くも悪くも少なからず影響が出た。

 そりゃ一度に1,000人もの人々が駆け抜けるのだ、影響がない訳がない。が、台風や大雨によってもトレイルに影響は出るし、イノシシがミミズを食い漁っても、やはりトレイルは荒れる。だからきちんとアフターフォローをすればいいのだ。

 UTMFの関係者やボランティアによっても、大会後、整備活動が行われたみたいではあるが、個人的に気になった箇所の補修を行った。

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 真っ先にやらなければならない箇所は、トレイルの一部を塞いだ箇所の現状復帰で、これはもっとも大会管理運営者の注意を喚起したいポイントである。つまり選手がミスコースをしたり遠回りをしない為に、迂回路を間伐材などで塞いである箇所で、通常はお年寄りや子どもなどの登山者の迂回路である。これを塞いでしまえば、危険な急登を登り下りするしかない。今朝の時点で大会終了後、一ヶ月を経過したので撤去しておいた。

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 次にこれまでにも危険であった急登が、多くの選手が踏み固めることによって、ズルズルに滑って危険な状態になった箇所を2箇所、トラロープを掛け、一箇所は新たにバイパスを設けた。これで小学生たちにとっても安全に登り下りが可能になった。

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 UTMFの選手大会要項には「すれ違う、あるいは追い越す時に、登山者に最大限の注意を払うこと」と書かれていたが、それはレース後の大会関係者にも言えることなのだ。

 歩いてもいいし、走ってもいい。どちらにしても山に対する愛が不可欠である。

 愛がなければ最初から触れてはならない。それは恋愛と同じである。

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    木村東吉
    1958 年大阪生まれ。
    20代は雑誌「ポパイ」の顔としてファッションモデルとして活躍したが、その後、30 代に入りアウトドア関連の著作を多数執筆。
    現在は河口湖に拠点を置き、執筆、取材、キャンプ教室の指導、講演など、幅広く活動している。
    また各企業の広告などにも数多く出演しており、そのアドバイザーも務めている。

    詳しいプロフィールはこちら

    木村東吉公式サイト「グレートアウトドア」

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