3月25日付のこのブログで、五本指シューズ「ファイブ・フィンガーズ」を紹介した。
人は本来、裸足で走ることに慣れているはずで、過保護な靴が逆に足腰の故障を招いている。この靴を履くことによって、裸足に近い感覚を取り戻し、故障のないランニング・フォームを身に付けることができる、というような内容だった。
で、あれから約1ヵ月半。やはり当初の予想通り、ソールの磨耗が激しく、これまでの走行距離約300キロを考慮すると、通常のジョギングシューズと比較して耐久性に劣るようである。
しかしこの靴は決して常時履いて走る靴ではない。あくまでもランニング・フォームの矯正用だ。ボク自身もこの靴を履いて、完璧にフォアフット(爪先着地)の感覚を掴んだ。その結果、サンダルやゴム草履を履いていても、まったく普通に走ることができる。つまり踵で着地することが、まったくなくなったということである。
また履き始めた当初は、短い距離で筋肉痛(特に足首からカーフにかけて)を感じたが、今では20キロ以上、この靴を履いて走ることが可能になった。つまりこれまで通常のジョギングシューズでは鍛えられなかった箇所の筋肉が、このシューズによって確実に鍛えられているという結果である。
これは大きな収穫である。
で、これまでに使われていなかった筋肉が鍛えられることによって、ランニングにどのような違いが生まれたか?
もっとも重要な点は、土踏まずのアーチをバネとする走りができてきた、ということである。これまでの30年近いランニング人生で、このアーチを使ったジャンプ力をまったくと言っていいほど生かしていなかったのだ。
例えばこのジャンプ力によって、一歩の距離が5センチ伸びたとしても、1キロあたり約30秒ほど記録が伸びることになる。
今までと同じ体力、心拍数で10キロ走り、5分もタイムを縮めて、尚且つ、足腰の故障がなくなれば、この靴を履く効果が十分だと言えまいか。しかも多くのランナーは、フォアフットの方がより長い距離をラクに走ることが可能になると証言している。
それを考えれば、磨耗度の激しいこの靴の恩恵は計り知れない。
ただしこのシューズ、正しい理論を認識しないで走ると、疲労骨折などを招きかねない危険性もあるので、ベアフット・ランニングを熟知した人のアドバイスや、関連文献などをよく読んで、試して欲しいのだ。
きっと今までとは違った新鮮なランニング観が生まれる。
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