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2011年3月アーカイブ

走るために生まれた

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 ツイッターでも何度も呟いているが、最近、ファイブ・フィンガーというランニング・シューズを手に入れた。
 ファイブ・フィンガーとはその名の通り、ご覧のように五本指が独立した形状の爪先を持つ靴で、限りなく裸足に近い感覚で走ることができる。
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 なぜ今さら裸足なのか?
 話は昨年の秋頃に遡る。
 ある夜、BSの番組でマラソンの特集をしていた。バルセロナ・オリンピックに於いて「こけちゃいました!」の台詞で強い印象が残る谷口浩美氏がレポーターを務め、ケニアのマラソン・ランナーを養成する合宿所を谷口氏が訪ね、ケニア選手の強さの秘密を探る、という内容であった。
 その番組の中で、ケニア選手のランニング・フォームをコンピューターによって解析するというシーンがあったのだが、それによると、ケニア選手の多くは踵とではなく、爪先から着地して走っているという。そしてもしも、欧米の選手がその筋力と心肺機能を駆使して、同じように走ったら、もっと記録が伸びる、と分析していたのだ。
 ではなぜ、ケニア選手の多くは爪先着地で走るのか? それはジョギング・シューズが買えずに、子どもの頃はずっと裸足で走っていたからだと言う。
 我々が幼い頃も、ジョギング・シューズなんて存在しなかったので、皆、運動会になると裸足や足袋で走っていた。それと同じである。
 で、それから数週間後、友人と走っていたら、彼が最近、読んでいる本の話を始めた。
 その本とはクリストファー・マクドゥーガル氏の著書「Born To Run 走るために生まれた」である。
 で、その本に、ボクが観たBSの番組と同じような内容が書かれているというのである。
 さっそく読んでみた。
 なるほど、裸足で走る意味においては多くの共通点を持つ内容である。
 つまりこういうことだ。
 先ほども言ったように、我々が幼い頃はジョギング・シューズなんてなかった。ところが70年代に始まったフィットネス・ブームにより、ジョギング・シューズが開発され、それは年を追うごとに、クッション性が良くなり、走る足を優しく保護されるように進化していった。ところが、足を保護しているはずなのに、逆に年々、ジョギング愛好家の故障が増えて行くようになる。著者のマクドゥーガル氏も例外ではなく、そのことに疑問を持った氏は、ジョギング・シューズの有用性について調べ始めると...という内容である。
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 結論から言えば、もともと人間は裸足で走っていたのに、クッションのいいジョギング・シューズを履くことによって、元来、人間が持っている機能を失い、故障に繋がっている、というものである。
 まあそれ以外にも面白い内容満載の本なので、実際に読んで欲しいと思うのだが、今現在、ボクもその理論を試しているところである。
 人に聞いたり、本を読むだけでは、それを薦めたり、否定したりするのはイヤな性格なので、実際に自分自身で人体実験をしているというわけである。
 裸足で走ると自然と爪先着地になるし、踵で着地すると、たちまち痛みが走るので、このファイブ・フィンガーはそれを矯正させる靴だ。当然、使う筋肉は違ってくるので、最初は筋肉痛に襲われる。
 これまでは普通のジョギングシューズで、10キロや20キロは平気で走れたのに、この靴を履き始めると6キロか7キロで足に乳酸が溜まってくるのを実感する。
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 それにご覧のように、靴底の減りが非常に早い。これまでに約100キロ走っただけなのに、この有様である。
 この靴がランニング・フォームの矯正用で、長いジョギングには適していないのか、それともソールの減りはあまり関係しないのか、その結論はもう少し待ちたいが、それでも、今までの厚い底のランニング・シューズはいったいなんだったのだ? と思えるほど、このペラペラの薄い靴で走ってもなんの問題もない。
 実はこの靴が届くまでにも、カヌーの際に履くウォーターシューズでも走ってみたのだが、同じようにまったく問題はなかった。
 このファイブ・フィンガーを履き続けるのか? それともジョギング・シューズに戻るのか? その結論はまだ出ていないが、クッションのいいソールの厚いジョギング・シューズを、もう二度と履かないことだけは確かである。






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 先週の週末はアウトドア・フェスティバルに出演する為に大阪にいた。開催されたところは、「インデックス大阪」という会場で、南港というところにあり、東京で例えるならお台場のような場所である。
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 アウトドア・フェスティバルは主に二つの大きな会場が設定されており、ひとつはキャンピングカーが展示してある会場で、もう一方ではステージでイベントなどが開催され、尚且つ、車、アウトドア用品店、特設プールなどがあり、大小、様々なブースの複合会場である。スキューバダイヴィングの免許取得を勧めるコーナーでは、こんなユニークなパフォーマンスも。
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 ボクはメインステージでのトークショーと、トヨタブースでのトークショーに出演したのだが、近々中にマイカーの予定となる、FJクルーザーのカスタム車も多く展示してあり、仕事と言えど、自分自身もお客さん気分である。
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 ステージの合間に、キャンピングカーの展示してある会場も覗いてみたが、そこでもっとも強く印象に残ったのが、軽自動車を改造したキャンピングカーの多さ。
 今から20年ほど前にオートキャンプが大ブームとなったが、その頃は本番アメリカのような大きなキャンピングカーが出回っていたが、結局は受け入れ態勢が整わず、いつの間にかその姿を消して行った。で、今やブームの主流は軽自動車という訳である。そして受け入れ先としては、全国に拡がる「道の駅」が念頭に置かれているのは間違いない。
 この「道の駅」を活用するキャンプスタイルについては、新たに展開しているもうひとつのブログ「GreatEscape」に詳しく述べているので、そちらの方もご覧頂きたいが、賛否両論あるのは承知しているが、いわゆる「ピーキャン(パーキング・キャンパーの略)」の定着は避けられそうにもないのである。
 フェスティバル開催中の二日間の来場者数は3万2千人と、地震の影響もあって、例年より2割ほど少なかったと報告を受けたが、それでも会場は様々なアウトドア・ファンの熱気に溢れていた。
 ここ数年、消費が落ち込んでいると言われている。だがそれはみんなが漠然と無駄遣いしなくなっただけであって、興味の強い方向にはむしろ多くの消費がなされているのではないか。いくら軽自動車を改造したキャンピングカーと言えども、新車では250万以上の価格が設定されている。そういったモノに強い関心を抱くということは、決してみんながストイックになっているのではないのだ。
 要するに消費者のニーズに見合ったモノを的確に提供できるかどうか、それがこれからの時代に生き残れるビジネスのあり方である。それが理解できていないと、いくら価格を安く抑えても、厳しい淘汰は免れないのである。
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誰にも決して奪えないモノ

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 昨夜10時すぎ、静岡を震源とする地震があった。
 先週の金曜日に発生した東北関東大震災の時は、車で大阪へと移動中で、揺れたことさえ気付かずにいたが、今回は眠りに落ちた瞬間の出来事で、慌てて飛び起きたのだった。
 前回の被害も食器やグラスで、今回も同じく何個かの食器類が割れた。
 写真のマグカップは、1990年に出場した「ミネソタ・ボーダー・トゥ・ボーダー・トライアスロン」の記念カップで、ずっと愛用していたマグだ。
 「ミネソタ・ボーダー・トゥ・ボーダー・トライアスロン」は、ミネソタと南に隣接するアイオワ州との州境から、北に隣接するカナダの国境までの800キロを、自転車とマラソン、そしてカヌーの3種の競技をこなしながら移動するトライアスロンで、4日間掛けて行われる。
 ボクはこのレースに1990年、翌91年の2年連続出場したが、このマグカップは90年に日本人として初出場した際に、貰った記念のマグである。
 このレースに出場した際に見た光景が忘れられずに、河口湖への移住を決意したが、レース本番のいろいろな思い出と共に、数々の想いがいっぱいに詰まったマグでもある。
 今回の地震では多くの方が亡くなり、未だに行方不明の方も多く、加えて、福島の原子力発電施設では、予断の許さない深刻な状況が続いている。
 予定していた仕事や約束事がキャンセルになり、生活の不便も強いられている。
 だが、我々にはこれまでの多くの想い出がある。
 辛いこともあったが、それを何倍も上回る、美しい楽しい想い出がある。それは我々の命の続く限り、永遠に心の中に生き続けるモノであり、生きてさえ居れば、もっともっと楽しいことが待っている。
 今回の地震で家族や愛する人々を亡くした悲しみは想像に絶するが、それでも遺された者の心の中には、いつまでも想い出が残る。
 そしてそれは恐ろしい力を持った自然災害でさえ、決して奪うことのできない存在だ。
 形のあるものはいつかは壊れる。しかし一度でも宿った魂は、永遠に生き続けるのである。
 負けるな! 日本!





大空からのギフト

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R0016467.JPG   昨日の朝まで断続的に降り続いた雪も晴れ上がり、今朝はスノーシューを履いて裏山の散歩。
 春の湿った雪、加えて、今朝は気温が低かったので雪面はクラスト状態だったが、一部にはフカフカの雪も残り、それなりに新雪の感触を堪能した。


R0016480.JPG 歩き慣れているはずの裏山も、雪が降るたびに、その日の太陽の光によってまったく違う表情を見せてくれるので、いつも新鮮な驚きを味わえるのである。


動画はこちら




大地の力

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 3月6日は「啓蟄」だったが、この日から「春分」までの期間を啓蟄と呼ぶ事もある。
 いずれにしても大地に眠る虫や蛇などが目覚める季節である。河口湖ではこの数日、春の雪が続いているが、雪は湿っぽく融けやすい。
 写真は先日、足和田山に登った時に撮影したのだが、土中に含まれる水分が浸み出て氷柱を形成している。もちろん土の中で眠る小さな虫たちはもっと地中深く、暖かいところで棲息していると思われるが、それでも目覚めるにはまだ早いようである。
 それにしても、このような氷柱を目にすると、いかに大地が多くの水分を含み、植物たちを育んでいるか、よく理解できる。
 その深遠なる懐で、多くの生命を宿しているのを感じさせるのだ。




春の雪

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 昨日は気温が緩み、朝から足和田山に登ってのんびりと朝食を摂った。
 で、午後いっぱいまでは春のような陽気だったが、少しずつ曇り空が拡がり、夜遅くには雪が降り始め、目覚めた時には相当、積もっていた。


  昨日は次男の高校卒業を祝して家族全員が集合したが、娘婿は早朝から出張で、ますは除雪から一日がスタートしたが、9時現在、まだ雪の止む気配はない。
 春の雪なので湿って重く、すぐには融けると思われるが、それでも明日からまた寒気が入るという予報。きちんと除雪をしないと氷の世界に閉じ込められてしまうのだ。






日曜日の足和田山

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さあ、さっそく動画でブログを構成してみた。
今朝の足和田山の頂上での朝食のシーン。
いつもなら自宅から走って頂上を目指すが、日曜日など時間に余裕のある時は、朝食の準備を背負って山に登ることもある。
メニュウはパスタかラーメンが多いが、寒い時期には圧倒的にラーメン。
朝からラーメンなんて食べて! と母親が生きていたら叱られそうだが、寒い山ではラーメンの温かが有難い。
愛犬も好きなだけ走り回り、おやつを貰って満足なのだ。 R0016419.JPG
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デジタルの領域 動画投稿テスト

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前回のブログで「紙媒体にしか表現できない領域」について書いた。
それではデジタルならではの表現方法はなにか?
それは発信のスピードだけではないはずだ。
例えばこういう方法。


という事で、今後、このブログでも積極的に動画でも見せて行きたいと思う。
もちろんその必要性があれば・・・という前提で。




アナログの最後の砦

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 先日、「MOTO NAVI」というバイク雑誌の取材を受け、その掲載紙が送られて来た。
 たまたまその掲載紙が10周年記年号だったのだが、この雑誌では巻頭で編集長がコラムを連載している。
 そこに書いていることを読むと、10周年に向けて拘ったのは写真のクオリティだと言う。
 一枚の写真の持つ力。それは時には千の言葉より力を持つことがあると書かれ、それこそがデジタルでは表現できない、紙の出版物の魅力だと綴られている。
 たしかにそうだ。PCやipadで美しい写真を見ることも可能だが、紙媒体でしか表現できない写真の質感というモノが厳然と存在する。そしてその言葉を裏付けるよう、今回の「MOTO NAVI」は、迫力のある美しい写真が多くのページを飾っている。しかしそれは言葉、つまり文字も同様で、やはり紙媒体でしか伝わらない言葉の力も存在する。アナログ人間と言われるかもしれないが、ipadで小説を読む気にはなれない。
 いくらデジタルが普及し、このブログのようにようにスピーディーに情報を発信できても、やはり紙媒体にしかできない表現は確実に残されている。その残されたモノを追求することこそ、これからの時代に雑誌が生き残ることのできる唯一の術である。
 決して付録などで部数を増やすことが、雑誌の役割ではないのだ。
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    木村東吉
    1958 年大阪生まれ。
    20代は雑誌「ポパイ」の顔としてファッションモデルとして活躍したが、その後、30 代に入りアウトドア関連の著作を多数執筆。
    現在は河口湖に拠点を置き、執筆、取材、キャンプ教室の指導、講演など、幅広く活動している。
    また各企業の広告などにも数多く出演しており、そのアドバイザーも務めている。

    詳しいプロフィールはこちら

    木村東吉公式サイト「グレートアウトドア」

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