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太古からの囁き

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 ずっとずっと遥かなる昔、まだ人々が言葉さえも持っていなかった時代、人はどうやって道を切拓いたのだろうか?
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 大雪が降った翌日、雪に埋もれた山道をスノーシューで歩きながら想う。
 雪が降った翌日のスノーシューの大いなる楽しみは、野生動物の足跡を見つけることである。多くの足跡は縦横無尽に、なんの法則もなく残っているように見えるが、よく観察していると、やはりそれは我々が歩くトレイルを踏襲しているケースが多い。
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 「けものみち」と呼ばれる道がある。野生動物たちの通り道だが、人もまたその「けものみち」を歩き、それがやがて道として確立されたのではないか。
 つまりすべての道は、まずは野生動物が歩き、そこを人が歩く。人里と人里を結ぶ道は、そのまま大きく発展を遂げ、人と無縁の「けものみち」は、動物たちだけのトレイルとして人々から忘れ去られる。
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 いつの時代も動物たちは本能で知っている。どこを歩けばもっとも効率が良いのかを。
 雪に埋もれた森は、遥か太古の時代の物語と野生の本能を、いつも我々に静かに語ってくれるのである。
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    木村東吉
    1958 年大阪生まれ。
    20代は雑誌「ポパイ」の顔としてファッションモデルとして活躍したが、その後、30 代に入りアウトドア関連の著作を多数執筆。
    現在は河口湖に拠点を置き、執筆、取材、キャンプ教室の指導、講演など、幅広く活動している。
    また各企業の広告などにも数多く出演しており、そのアドバイザーも務めている。

    詳しいプロフィールはこちら

    木村東吉公式サイト「グレートアウトドア」

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