幼い頃はお年玉欲しさも手伝って、無邪気に「新年明けましておめでとうございます」と誰彼構わずに挨拶していたが、年齢を重ねるにつれ、相手方や自分自身が喪中であるケースもあり、あるいは昨今の複雑な社会傾向を垣間見ると、年が明けたからと言って、単純には「おめでとうございます」とは言えなくなった。
だが年が変わる節目として、新たに「今年もよろしくお願いします」とは堂々と言える。
これら3枚の写真は昨年と同様に、河口湖の北側、「日本の渚百選」に選ばれている「留守が岩浜」からの眺めだ。
今年も自宅から走って現場に行き、初日の出の瞬間を待った。
ここからは朝陽が当たって紅に染まる富士山の景色、その富士の裾野から昇る初日の出が拝める。そのことに観光業者も目を付けたようで、ここ数年はご覧のように、早朝から遊覧船も出る。
まるで年賀はがきのデザインのような風景に巡り会えるのだが、気温は氷点下を下回っているので、手袋を外してカメラのシャッターを切っていると、手の感覚がなくなるほど寒さが厳しい。
昨今、世の中の情勢は厳しさが増している気がする。それとも年齢を重ねると、厳しさばかりが目に付くのか。
いずれにしてもこの写真を撮影した瞬間のように、いくら厳しさを自分が経験しようと、その経験を咀嚼、昇華させて、美しいメッセージに変えて行きたいと思う。
2011年もよろしくお願いします。
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