四季の中でもっとも美しい季節はいつだろう。それは単純に四季に分けてしまうと比較が難しくなる。
早春、晩春、初夏、盛夏、晩夏、初秋、晩秋、初冬、厳冬、晩冬。このように細かく分けると、その比較が容易かもしれないが、例えば今の時期は晩秋か初冬かに分類しろと言われれば、かなり迷うことになる。
ご覧の写真のようにな燃える紅葉を見れば、秋という季節がすんなりと心に入ってくるが、同じ日の朝、氷点下の冷え込みの中を走り、雪の積もった富士山を見上げれば、冬の厳しさも実感せずにはいられない。
まあそもそも国境にしたって、季節にしたって、勝手に人間があとから作ったものであって、その境界線に漂うモノは、限定されること自体、迷惑な話なんだろう。
さて冒頭の話に戻ろう。
いつの季節がもっとも美しいか? 個人的な好みや、どの地域に住むかでもかなり意見が違ってくると思うが、概して、気象条件が厳しければ厳しいほど、自然は我々に美しいモノを魅せてくれる気がする。
太陽、月、星空、朝陽、夕陽、雪、氷。これらは気温の低い季節ほど美しい。
芽吹いたばかりの若葉も美しいし、咲き乱れる花も美しい。だがそれらの美しさは自然の大きなスケールを感じさせる美しさではない。
若い時は南の島に住みたいと思ったことがあった。だが一年中暖かいところに暮らすことは、今では考えられない。
厳しい寒さが好きなのは、きっと年齢的なモノも作用しているのだろう。
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