ここ数日、自家製のアルコール・ストーブ作りにハマっていた。
写真に映っているのは3種だが、これ以外にもいろいろと試作してみた。
アウトドアで調理する場合、車にすべての荷物を積んでいくオートキャンプなら迷わずにツーバーナーを選択するが、バックパッキング、つまり自分の背中に荷物を背負わなければならない時は、なるべく重量を軽くしたいので、シングルバーナーの出番となる。
ツーバーナーにしてもシングルにしても、燃料はブタンガスかホワイトガソリンという選択肢が一般的だ。が、シングルの場合、これにアルコールという選択肢が増える。
アルコール燃料のストーブのメリットは、なんと言っても軽量である、ということだ。
ご覧の写真に映っているどのストーブも、重量はわずか20グラム前後。ブタンガスを使用するストーブの最軽量のモノで70グラムほどだから、アルコールストーブがいかに軽量化を図れるか判る。それにこれらのストーブは350㏄のアルミ缶を再利用したものなので、材料費はタダである。さらに、燃料のアルコールを使う分だけ持っていけばさらに軽量化に繋がる。ブタンガスの場合、軽いガスカートリッジでも200グラム近くある。もちろんホワイトガスは言うに及ばない。
このようにもっとも軽量化を図れるアルコールストーブだが、弱点もある。まずは風に弱い。細やかな温度調節が不可能である。燃焼時間が短い等。
で、例えば風防を使用したり、温度調節をする為の五徳を持参すれば、重量が増えてしまい、なんの為にアルコールストーブを選択するのか、その意味がなくなってしまう。
アルコールストーブに限らす、シングルストーブの場合、例えば500ミリリットルのお水を(水温はだいたい20度だ)何分で沸騰させることができるか? ということが、火力の検証の基準としてデーター化されているが、ボクに言わせればそれはまさに机上の空論で、あまり意味がないような気がする。
そのストーブと鍋の組み合わせ、風に対する強さ、鍋を置いた時の安定性、お湯を沸かすだけではなく調理のしやすさなど、実際のフィールドでは、机上の実験データーでは見えない要素が多々あるのだ。
それらを検証しないと、アウトドアの過酷なフィールドでは使い物にならない。
ストーブ本体、鍋、五徳、風防、それらをすべて併せてどれくらいの重量、あるいはサイズになるのか? その使い勝手は? どれくらいの気温まできちんと使えるのか? 高度は? そういった要素を乗り越えて、信頼のできる道具として生き残れるのである。
だがそれはそれとして、アルコールストーブを自作してみて、アルコールの燃焼する過程に於ける特質がよく理解できた。アウトドアのフィールドで実際に使えるかどうかは別として、それはとても興味深い試みであった。
そういう意味に於いては「既成概念の排除、固定観念の破壊」をモットーとする我がアウトドア・スタイルにまたひとつ、新たな検証結果が残されたのである。
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