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奇祭に相応しいカメラ

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 河口湖に暮らし始めて15年になるが、これまで一度も地元(と言っても、隣町の富士吉田市だが)で開催される「火祭り」に行ったことがなかった。と言うか、「火祭り」に限らず祭り全般があまり好きじゃなかった。と言うのも、祭りはいつも排他的な雰囲気が漂うからである。が、これは祭りの宿命でもある。地元に古くから伝わる慣習が祭りという形になるので、外部の人間にはその成り立ちや仕組みが解りづらくて当然である。それに一部の祭りには、明らかな「余所者」に対して邪険にする雰囲気が漂うモノもある。「おまえら、なにを解って、この祭りを見物しているのだ」というような視線や態度である。写真などを撮ろうとすると、「そこ邪魔だからどいて!」と怒鳴られたりすることもある。
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 以上のような理由から、これまでは祭りを敬遠していたのだが、折角、全国的に有名な祭りが地元開催されるのだからと、この「火祭り」は昨年から見物に行っている。
 それに今年はもうひとつ目的があった。
 この春に手に入れたリコーのカメラ「GRⅢ」で、この奇祭の様子を撮影したかったのだ。
 「GRⅢ」はそのレンズに最大の特徴があり、開放値で1,9という驚くべく明るさを誇っている。それに細かいマニュアル操作が可能となっており、一眼レフに勝とも劣らない機能を持つカメラである。
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 今回も妻たちを炎と一緒に撮影するとき以外は、まったくストロボを使わなかったが、感度を高く設定し、開放で撮影すると、燃え盛る炎の様子が見事に表現できるのだ。それに非常に小型、軽量なので、シャッター・チャンスを逃すこともない。まさに祭りという宿命を背負う催事の表情を撮るのに、これ以上相応しいカメラはないのだ。
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      「火祭り」開催中、国道は通行止めとなる。なんとなくゴーストタウンのような雰囲気
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富士山と燃え盛る炎の図、というのを、来年は撮影したい
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通りを外れた一軒の家の前でも、静かに松明が燃えていた
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    木村東吉
    1958 年大阪生まれ。
    20代は雑誌「ポパイ」の顔としてファッションモデルとして活躍したが、その後、30 代に入りアウトドア関連の著作を多数執筆。
    現在は河口湖に拠点を置き、執筆、取材、キャンプ教室の指導、講演など、幅広く活動している。
    また各企業の広告などにも数多く出演しており、そのアドバイザーも務めている。

    詳しいプロフィールはこちら

    木村東吉公式サイト「グレートアウトドア」

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