ここ数年、だいたいハーフマラソンは1時間35分前後で走っている。今回の「佐渡、トキマラソン」でも1時間36分だった。
河口湖の自宅から、富士急、中央線、新幹線、ジェットフォイルと乗り継ぎ、約5時間かけて佐渡島にやってきて、たった1時間半ほど走って帰るのはあまりにもモッタイない。せっかくなのでマラソンの後、中野洸氏のご息女である奈美子さんに島内を案内してもらった。
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トキは非繁殖期(8月から1月)には、いわゆる「朱鷺色」と言われる薄いサーモン・ピンクのようななんとも言えない艶やかな翼を広げるが、繁殖期には首から黒い皮膚脱落物を分泌させ、それを自らの身体に塗り広げ、頭部や首、それに背中の一部を黒灰色に染める。外敵から身を護るための保護色の役割を果たしていると思われるが、保護センターにもそのような色をしたトキが数羽居た。他にも北アフリカ原産のホオアカトキや、東アジア原産の黒トキも数羽居たが、やはり「ニッポニア・ニッポン」、我が国のトキがもっとも美しい。
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「宿根木」とは佐渡南部、小木港の近くにあり、かつて廻船業を営む者が居住して栄えた小さな地区で、今では重要伝統的建造物群保存地区(ヒエー! 長いタイトル)に指定されている。当時の船大工たちがその高い技術で建造した建物が110棟残っており、今でも実際にそこで生活が営まれている。
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流人、金山、廻船業。それらの歴史が佐渡を古くから豊かに、文化的に形成し、現在にもそれを連綿と伝えている。
マラソンで急いで走り抜けるだけではホントにモッタイない。あまりにも見るべきものが多いのである。
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