
「大阪は日本でもっとも猥雑な町である。その猥雑な町にカジノを造る!」
2ヶ月ほど前のニュースを読んでいたら、橋下大阪府知事がこんなようなことを言っていた。
橋下知事が大阪人、あるいは大阪の特質をどれだけ理解しているのか知らないが、こういうことを言われて大阪人はどのように感じるのだろうか?
大阪から二十歳の時に上京したので、大阪を離れて30年以上も経過している。だからボク自身、大阪人と言えるのかどうかは自信はないが、それでも自分の故郷は大阪であると信じているので、冒頭の橋下知事の発言には、些かの憤りを含んだ違和感を感じる。
確かに大阪は猥雑な雰囲気を感じさせる区域も多い。が、それは大阪に限ったことではなく、東京にも、あるいはその他の地方都市にも猥雑な区域は存在する。それは諸外国の都市でも同様である。
様々な人々が集い、その人々の需要に適した供給が生み出される。人々の趣味趣向が複雑になり、民族性に多様性が生じると、必然的に猥雑な趣が派生するのである。それが都市の持つ宿命である。
大阪人の立ち居振る舞いや言葉遣いなどを聞き、その町の一部を歩いていると、猥雑な印象を受けることは多いが、それでも大阪には古風な情緒と未来の創造性の融合を感じさせる、素晴らしい一面も多く兼ね備えている。




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