「今日中には完成するので、明日の朝、来てくれよ!」
昨日、お隣のトリスがそう言って、ツリーハウスの完成を誓った。
すでにこのブログでも紹介したが、スコットランドからやって来たピーターは、息子のトリスと共に、孫の為(つまりトリスの子どもたちだ)に春からツリーハウスを造っていた。
それがいよいよ完成すると言うのだ。
トリスは東京で暮らし、河口湖の家はあくまでも別荘である。ピーターもスコットランドで暮らしているので、二人が春からずっとこの作業をしていたわけではない。夏にはトリスの友人たちが、何度かこの作業を手伝っているのを見かけたが、ボクの印象では主にピーターとトリスの共同作業によって、このツリーハウスが完成を迎える。
せっかちな性格のボクにはとても真似できないが、約9ヶ月の時を経て、いよいよ完成するのである。
指定された時間に伺うと、ツリーハウスの前には可愛いテーブルクロスが掛けられたテーブルが設えられており、その上にはシャンパンとソフトドリンク、それにブルスケッタやクロスティーニなど、トリスの奥さんであるカコさんの手作りの料理が並べられ、ツリーハウスの完成に花を添えた。
皆で乾杯する。
ピーターがトリスにスピーチを催促した。
トリスはシャンパンを片手に話し始めた。
「粉雪が舞う三月から長い9ヶ月間を経て、ようやく、粉雪の舞う今日、ツリーハウスが完成した」
大晦日の今日、河口湖は朝から強風が吹き、粉雪が舞っていた。
ピーターが小さく拍手をすると、「かんぱい!」とトリスが日本語で言ってカップを挙げ、それに合わせて我々は乾杯した。
なんて素敵な完成祝いなんだろう。
確かに粉雪混じりの風は身を切るような寒さだし、暖かな陽射しもまったくなかった。が、完成したばかりのツリーハウスの下で開かれたその小さな宴は、限りない優しさと深い愛で溢れていた。
「上がっていいかな?」とボクはツリーハウスの入室許可をトリスに求めると、「もちろん!」と彼は笑顔で応えた。
狭い急な梯子をよじ登ると、すでに子どもたちの落書きが壁一面に描かれてある。
完成したばかりのツリーハウスに、ボクならそのような落書きを許すだろうか? ちょっと自信がない。しかし考えてみれば、この楽しい住み処は子どもたちの為のモノなのだ。すぐに反省する。
必要な大工道具があればいつでも声をかけてくれ・・・とは言ってあったが、ボクは一度も彼らの作業を手伝わなかった。なんとなく、父子の共同作業の邪魔をしたくなかったのだ。だが朝から暗くなるまで作業を続ける姿を見るたびに、心が温かくなり、いつも頬が緩んだ。
今日のささやかなパーティも、長い9ヶ月間も有難う! そしてツリーハウスの完成、おめでとう!
ボクもいつの日か、息子たちとそんな素敵な時間を持つことができれば、と心から思う。
それが人生に於ける本当の幸せの意味なんだろう。
昨日、お隣のトリスがそう言って、ツリーハウスの完成を誓った。
すでにこのブログでも紹介したが、スコットランドからやって来たピーターは、息子のトリスと共に、孫の為(つまりトリスの子どもたちだ)に春からツリーハウスを造っていた。
それがいよいよ完成すると言うのだ。
トリスは東京で暮らし、河口湖の家はあくまでも別荘である。ピーターもスコットランドで暮らしているので、二人が春からずっとこの作業をしていたわけではない。夏にはトリスの友人たちが、何度かこの作業を手伝っているのを見かけたが、ボクの印象では主にピーターとトリスの共同作業によって、このツリーハウスが完成を迎える。
せっかちな性格のボクにはとても真似できないが、約9ヶ月の時を経て、いよいよ完成するのである。
指定された時間に伺うと、ツリーハウスの前には可愛いテーブルクロスが掛けられたテーブルが設えられており、その上にはシャンパンとソフトドリンク、それにブルスケッタやクロスティーニなど、トリスの奥さんであるカコさんの手作りの料理が並べられ、ツリーハウスの完成に花を添えた。
皆で乾杯する。
ピーターがトリスにスピーチを催促した。
トリスはシャンパンを片手に話し始めた。
「粉雪が舞う三月から長い9ヶ月間を経て、ようやく、粉雪の舞う今日、ツリーハウスが完成した」
大晦日の今日、河口湖は朝から強風が吹き、粉雪が舞っていた。
ピーターが小さく拍手をすると、「かんぱい!」とトリスが日本語で言ってカップを挙げ、それに合わせて我々は乾杯した。
なんて素敵な完成祝いなんだろう。
確かに粉雪混じりの風は身を切るような寒さだし、暖かな陽射しもまったくなかった。が、完成したばかりのツリーハウスの下で開かれたその小さな宴は、限りない優しさと深い愛で溢れていた。
「上がっていいかな?」とボクはツリーハウスの入室許可をトリスに求めると、「もちろん!」と彼は笑顔で応えた。
狭い急な梯子をよじ登ると、すでに子どもたちの落書きが壁一面に描かれてある。
完成したばかりのツリーハウスに、ボクならそのような落書きを許すだろうか? ちょっと自信がない。しかし考えてみれば、この楽しい住み処は子どもたちの為のモノなのだ。すぐに反省する。
必要な大工道具があればいつでも声をかけてくれ・・・とは言ってあったが、ボクは一度も彼らの作業を手伝わなかった。なんとなく、父子の共同作業の邪魔をしたくなかったのだ。だが朝から暗くなるまで作業を続ける姿を見るたびに、心が温かくなり、いつも頬が緩んだ。
今日のささやかなパーティも、長い9ヶ月間も有難う! そしてツリーハウスの完成、おめでとう!
ボクもいつの日か、息子たちとそんな素敵な時間を持つことができれば、と心から思う。
それが人生に於ける本当の幸せの意味なんだろう。
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