遙かなる原始の時代、我々人間は「火を扱う」ことによって、その他の動物より優位に立つことができた。
カラダを暖かく包み込む毛皮もなければ、鋭い爪や牙もない。速く走ることも不可能だし、空を飛ぶこともできない。だが「火」という道具を手に入れ、我々は地球上の動物の頂点に立つことができたのだ。
時代は進み、「火」という単純な道具から恐ろしく進歩を遂げ、今では複雑かつ高機能を持つあらゆる道具を手にするようになった。が、その代償として、我々現代人は火を巧く扱えなくなった。
現在、アウトドアのフィールドで、この火を自由自在に扱えるようになると、それだけでアウトドアの達人になったような気がする。逆の言い方をすれば、火を自由自在に扱えない男は、野外に於いてただひたすら黙するしかないのである。
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