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奇祭「吉田の火祭り」

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IMG_8940.JPG 河口湖で暮らし始めて14年になるが、これまで一度も富士吉田で開催される「火祭り」に行ったことがなかった。

 この火祭りは、猛火の中で出産した祭神、木花開耶姫命(このはなさくやひめのみこと)の故事に基づく祭りと言われ、富士山の山閉いの祭りでもある。
 まずは北口本宮冨士浅間神社から二騎の御輿が担ぎ出されるが、そのうちのひとつは「お山さん」と呼ばれる赤富士を模した御輿である。


 浅間神社を出発した御輿は「上宿」の交差点まで担がれ、その交差点で、「お山さん」は三度、地面に落とされる。これは富士山の噴火の地響きを再現する儀式で、ここで御輿はひと休みする。

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 その後、「金鳥居通り」を下って行き、「お旅処」で御輿が奉納され、その後、いよいよ大松明に点火される。

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 次々と大松明が点火され、「金鳥居通り」は巨大な炎に包まれ、その傍らではお経を唱える人々も居る。

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   この「火祭り」は静岡県島田の「帯祭り」、愛知県国府宮の「はだか祭り」と共に、日本三奇祭のひとつに数えられ、国内はもとより、海外からも多くの観光客が訪れる。
 今回、我々は通行止めの混雑などを予想して、自転車に乗ってこの祭り見物に行ったが、自転車でも僅かに20分ほどの距離で、こんなに近くでこのような珍しい祭りが開催されているのだから、もっと早くに足を運べば良かった...と些か反省もしているのである。

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 しかしボクがこのような祭りに足を運ばない理由もいくつかある。
 どこの祭りでも代わり映えしない露天の多さ、その祭事に便乗する様々なビジネス、それに地元中心の排他的な雰囲気などである。
 それぞれの祭りにまつわる故事など、その地に伝わる風習を感じ取るのには、このような祭りを見ることはとても意義あることだと思うのだが、先述のような事柄が、本来あるべき格式高い神事から乖離させている気もするのである。

 

コメント(2)

学生の頃は火祭りで意味もなくこのメイン通りを何往復も歩いたものです!年と共に足は遠のきTVの特集で山開きや火祭りなどのいわれなど知った次第です。東吉さんのご意見同感です!

yokko様。
たくさんのコメント有難うございます。
学生時代、なんどもこの道を往復されたということは、yokkoさんは地元の方ですか? この地元には祭り以外にも、素晴らしい自然がいっぱいありますよね。ところがその自然の素晴らしさに気付いていない人たちもたくさんいるとことが残念です。
これからもそんな地元の良さをたくさん紹介したいと思っておりますので、今後ともよろしくお願いします。

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    木村東吉
    1958 年大阪生まれ。
    20代は雑誌「ポパイ」の顔としてファッションモデルとして活躍したが、その後、30 代に入りアウトドア関連の著作を多数執筆。
    現在は河口湖に拠点を置き、執筆、取材、キャンプ教室の指導、講演など、幅広く活動している。
    また各企業の広告などにも数多く出演しており、そのアドバイザーも務めている。

    詳しいプロフィールはこちら

    木村東吉公式サイト「グレートアウトドア」

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