2009年3月アーカイブ
トリスの懸念は的中し、下りになるとピーターの足の踏ん張りが効かず、トリスが肩を貸して下山することになった。それにご覧のように雪も舞い始めた。だがそのような状況下でも冗談を交わしながら歩く父と息子。ボクは後ろから見ていて、何度も落涙しそうになった。 イギリスのグリニッジ天文台が世界の標準時刻の基点となっているので、そこから見れば、日本は遥か「極東」地域となる。 息子が世界の果ての地で日本人女性と結ばれ、そこで居を構える。父はそこを訪ね、息子とその家族の為にツリーハウス造りを手伝い、その地の山に登る。息子は父の体調を気遣い、山に登る楽しみを共有しようとする。 崇高なる思考力と強い行動力、限りない労力と長い年月に裏打ちされた親子の情が、そこにはあった。 二十数年後、ボクも息子たちとこのような時が過ごせるだろうか? いやそのために、今後のすべての力を惜しみなく発揮するべきだろう。なぜならボクにとって人生の本当の「幸せ」の意味が、そこにあるからだ。
十二ヶ岳へのルートはいろいろあるが、頂上へ直登するのには、西湖の中央、「桑留尾」から登るのがもっとも早いルートである。だが最初の30分ほどは急傾斜が続き、かなりタフな登山となる。今年の5月で74歳になるピーターにとっては、かなり厳しい登山だったとは思うが、頂上直下のビューポイントまでは、大きく遅れることなく登れた。我々の背景には西湖の全景が見えるが、右手後方には本栖湖、左手には河口湖、遠くに霞む山中湖も見える。だが肝心の冨士山は厚い雲に覆われて見えない。そこで我々は頂上まで登るか、そこから引き返すか、相談を始めた。実は登る前からトリスには気懸りなことがあった。ピーターは年齢のわりには体力はあるが、人工股関節を付けていたので、山の下りのことを心配していたのだった。とくに十二ヶ岳は、このビューポイントあたりからフィックスロープが張られた危険な場所が続く。そのことを説明すると、トリスはこのまま引き返そうと言う。が、驚いたことにピーターは頂上まで登りたいと言う。まるでその表情は子どものようだ。だが天候があまり芳しくないこともあり、ボクとトリスに説得されて、ピーターも納得し、我々は引き返すことにした。
3年前ほど前から、我が家の隣の別荘でイギリス人のファミリーが暮らすようになった。とは言っても、彼らには東京の代々木に家があり、週末や長い休暇になるとやって来るのだが、先週は春休みということもあり、彼らの両親も遠くスコットランドから、河口湖の彼らの家を訪ねて来ていた。中央のレンガ色のジャケットを着たトリスが、そのイギリス人ファミリーのお父さんで、左側の白いジャケットを来たピーターが、スコットランドから来た彼の父である。 今回の彼らの主目的は子ども(ピーターにとっては孫)の為にツリーハウスを製作することのようで、彼らの自宅の裏の杉の大木に、子どもが3人ほど乗って遊べるツリーハウスを造っている。(まだ完成していない)朝から夕方まで、親子で懸命に作業をするその姿はとても微笑ましく、ボクも通りがかる度に声を掛ける。で、週末の登山に誘ったのだ。実はトリスは、先日、行われた「東京マラソン」を3時間41分で完走しているアスリートで、我が家の裏山である足和田山にも頻繁に登っている。「それじゃ、たまには違う山を!」と云う事で、ボクが二人を十二ヶ岳に案内することになったのだ。
中学一年生の時、英語の教科書に「幸せって、なんだろう?」という短い文章が掲載されてあり、そのことについて先生と生徒が英語で受け答えする、という授業があった。が、中学一年生の子どもが真剣に「幸せ」について考えることは、日本語でも不可能なことで、冗談半分に「眠ること」とか「美味しいモノを食べること」とか、または超現実的に「億万長者になること」とか、口々に発言していたような記憶がある。だがそれ以来、ボクにとってそのテーマは深遠なる存在となった。というのも、それまでの13年間の人生で、「幸せ」について一度も考えたことがなかったからである。 人生で初めての恋、子どもが生まれた瞬間、そしてその子どもたちの成長、仕事における充足感、あるいは趣味やスポーツの楽しみなど、その時々に「幸せ」を噛み締める瞬間は多々あったが、そのどれもが危うく、脆く、切なく移ろい、そして儚い存在だった。だが先週末、ボクはある親子と一緒に山に登り、自分の残りの人生のすべてを掛けても追求すべき、「幸せ」の確固たるべき姿を見た。
昨秋にも告知した「Trainer just for you」。ボクがマンツーマンでトレーニングを指導する、いわゆるパーソナル・トレーナー計画が、いよいよ本格的にスタート! 詳しくは右の「Trainer just for you」のバナーをクリック!
先日「ベストカー」というカー雑誌(発刊して30年も経っているらしい!)の取材を受けた。これまでの自分の愛車歴と、今現在の愛車を紹介するというコーナーだ。今現在はスバルの「アウトバック」という車を愛用しているが、取材を受けて改めて、これまでにいろいろな車に乗って来たんだなあ・・・と感慨深くなった。なんと言ってもドライバー歴32年だから。が、それにしても写真を撮影している記者のカメラに注目して欲しい。デジタルは最近の常識としても、ここまでコンパクトなデジカメで取材も珍しい。まあ写真に芸術性を求めなければ、これで十分なのかもしれない。それに実際に送ってきた原稿を見たら、かなり巧く撮れていた。要は腕前か・・・
このような個室ブースもあり、勉強などに集中できる仕組みになっている。 以前、新宿西口で河口湖行きのバスを待っている時、PCをネットに繋ぎたくてマクドナルドに入った。ハンバーガーを食べる気はしないので、100円のコーヒーをオーダーして席に着いたが、驚いたことにボクと同じような考えの人々が、そこには100人くらい居て、しかも店側もそのことを十分に理解しているようで、個々のテーブルにはPC用の電源まで備えられていた。今回、「冨士ビジターセンター」の話題でも紹介したが、アメリカを旅していると、どんな小さな町でもビジターセンターがある。最近ではそのビジターセンターで、無料でネットに繋ぐことも可能だ。民間のマクドナルドでもサービスの一環として、このようなシステムを提供しているのだから、公共の機関はもっともっと、民間で需要のあるシステムを提供すべきである。箱や外観は粗末でも良い。そこにあるシステムやソフトこそ、充実すべきだと思うのだ。
昨日、ETCの新しい料金体系について、「麻生政権唯一の素晴らしい経済対応策・・・」と持ち上げたが、今朝のニュースによると、徴収方法によっては2重で支払うことになる・・・とか、新サービスが始まる前から、あれこれ問題点が噴出しているらしい。そのあたりの詰めの甘さが、やはり現政権を如実に顕しているのか。 さて「税金の有効利用」第2弾は、最近、ボクも頻繁に通っている図書館を紹介しよう。「平成の大合併」によって、河口湖町、足和田村、勝山村、上九一色村の4町村は新たに「冨士河口湖町」として生まれたが、その立派な町役場(「町役場」と呼ぶのも憚れるような、本当に立派な建物だ)に隣接して、「生涯学習館」と「子ども未来創造館」というこれまた立派な施設がある。ご覧の図書館はその施設内にあるのだが、本の種類、数、ビデオなど、その他の資料と併せて、かなり充実した内容の施設である。もちろん誰でも自由(無料で)に利用することができるので、旅行者でも気軽に入って、いろいろな資料を調べることができる。漫画もあるし、PCもあるので、大人も子どもも退屈しないだろう。せっかく富士五湖に来たけど、ちょっと天気が・・・なんていう時に、ふらっと立ち寄るのもいかもしれない。
さらにはこんな情報も。冨士山周辺はグラグラと沸き立つ温泉ではなく、20度前後の冷泉を沸かしなおしたところが多いと聞くが、それでも一日遊んで疲れたからだを、気持ちのいい景色を眺めながら湯に浸かって癒すのは、何事にも代え難い至福の時。 さて、どうやら今月28日から、ETCを使えば、高速道路をどこまで走っても1000円という、失礼ながら麻生政権にとっては唯一の素晴らしい経済対応策が始まろうとしているが、まああまり無理しないで、首都圏から近場の富士五湖地域などもお勧めだ。で、もしもこの地域に来るなら、30分でいいからこの「冨士ビジターセンター」を訪れて欲しい。きっとその日の行動の、なんらかの役に立つはずである。
「定額給付金」はまったくの愚作だと思うが、「ETCどこまで行っても1000円」はかなりの経済効果が見込めると思う。高速道路でどこまで行っても1000円なら、なるべく遠くへ行きたくなるのが人情だし、そうなると飲食もすれば、宿泊もする。なによりもガソリン代を使うし、お土産のひとつも買うだろう。このようにいろいろな方面へ内需が拡がって行く政策なら、国税を投じる価値があると思う。さて意味のある税金の使い道として、これから紹介する施設なども価値ある存在だ。まずは河口湖インター近くにある「富士ビジターセンター」。アメリカなどを車で旅行していると、どんな小さな町でも必ずこのビジターセンターがあり、そこでいろいろな情報を手に入れることができるが、ここのビジターセンターも充実した情報を得ることが可能だ。ご覧のように入場無料、使わない手はないが、残念ながら外国人の訪問がほとんどで、日本人はあまり利用しないと聞いた。と云うことで、ここでその一部を紹介していこうと思う。
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1958 年大阪生まれ。
20代は雑誌「ポパイ」の顔としてファッションモデルとして活躍したが、その後、30 代に入りアウトドア関連の著作を多数執筆。
現在は河口湖に拠点を置き、執筆、取材、キャンプ教室の指導、講演など、幅広く活動している。
また各企業の広告などにも数多く出演しており、そのアドバイザーも務めている。
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