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2005年11月アーカイブ

アウトドア英才教育?

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 先日、NHKの教育テレビの番組で、小学生に「野宿の仕方を教える」という撮影を行った。
 オンエアは来春になるらしいが、撮影が行われたのは晩秋の河口湖周辺で、秋の晴天に恵まれて順調に撮影を終えた。
 いつものことだが、実際の撮影は天候にさえ恵まれれば、あっと言う間に終わってしまうが、その打ち合わせにはかなりの時間を要する。
 今回も子どもにアウトドア・ライフを教えるということで、子どもたちの理解力、体力、知力、それに揃える機材等、打ち合わせのために多くの時間を費やした。
 その打ち合わせの過程で、ボクも新たに気が付いたことが、あまりにも「子ども用のアウトドア機材」が少ないという事実である。
 まずはザックがない。
 通常、一泊二日でどこかで野宿する場合、最低でも50リッターくらいの容量のザックが必要だが、その容量を備え、しかも子どもが担ぎやすいサイズ(専門的な用語で“トルソ”という)の国産のザックがないのだ。
 寝袋は選択肢は少ないものの、なんとかなるが、その寝袋を包み込む「シュラフカバー」は皆無。
 火気関係やテント関係などの共同装備は、どっちみち子どもには扱いきれないので、子ども専用の機材は必要ないのだが、ザックや寝袋といった個人装備は、からだにフィットしないととても扱い辛いので、こういう機材は充実して欲しい。
 それが次世代のアウトドア・ブームを支えて行く結果に繋がると思われるので、関連メーカーの努力を期待したいものである。





季節に備える

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 田舎に暮らしていると「季節に備える」という意識が強くなる。
 河口湖は東京からわずか100キロの距離で、日帰りでも往き帰りが可能だが、標高が900メートル近くあり、冬場は氷点下20度近くまで冷え込むこともある。
 空調が整った部屋で過ごし、それほどまでに気温が下がることのない東京に暮らしていた頃は、冬が近づいてもなんの準備もしなかったが、こちらにやって来てからは、あれこれ準備をすることが多い。
 まずはボートやカヌーなど、水遊び関係の道具を仕舞うことから始まり、テラスに掛けてあるタープも外す。以前、タープを掛けっぱなしにしておいたら、その上に大雪が積もって、その重みでタープを支えている柱が折れそうになったことがある。
 “冬の準備”の中でも、大切なのが薪の確保である。
 雪が降って、その雪の下に薪が埋もれてしまえば、いくらたくさんの備蓄があっても使いモノにならないので、雪が降る前にすべてストーブに入る長さにカットして、それを斧で割って行く。
 こうして出来上がった薪を、今度は子どもたちが家の軒下に積み上げて行く。それは窓を隠すまでの高さになるが、春に近づいて行くと薪も減って、窓からの眺めも開けて行く。
 田舎に暮らしていると、様々な事象で「季節を感じる」のである。





「河口湖マッスルクラブ」秋季合宿 3

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 今回も「河口湖マッスルクラブ」の話題を。
 重い荷物を背負い、何時間も山道を登る。で、頂上や登山途中で美しい景色を見たり、珍しい動植物に出遭ったりすればその労苦は報われるが、濃霧や雲の中を歩き、その果てに頂に立っても、なんの眺望もなければ、いくら「筋肉と心肺機能」を苛めることが好きな我がクラブのメンバーとは言え、些かの不満も噴出すことだろうと思う。
 しかも前回にもお伝えしたように、今年の5月は頂上直下にて残雪のために敗退している。
 クラブの会長という立場、そしてその山をガイドするという立場を鑑みれば、この日、ボクが感じるプレッシャーは相当に強かった。
 だが「三俣」の登山道に取り付いて約3時間半。頂上直下の300メートルほどの登山道には残雪が凍り、アイゼンの必要性も感じたが、下りの際には軽アイゼンの装着を確認の上、慎重に歩を進めて、メンバー全員が無事に「蝶が岳」の頂上に立った。
 東北の方向には雲の切れ間からその頂を見せる「常念岳」、 西北方向に目を転じると、秋の青空に鋭く白い頂を突き刺した「槍ヶ岳」、そして圧倒的な強さで迫り来る穂高の山嶺。
 その裾野、「涸沢」は紅葉が真っ盛りで、そこではきっと多くのアマチュア・カメラマンたちを魅了しているのだろう。
 メンバーの一人が大声で笑い始めた。それに呼応するかのように誰かが笑い始めた。
 意味もなく笑っている。
 いや意味は十分にある。この景観を目の当たりにして、高揚する気持ちを抑えきれないのだ。
 笑い声はやがて歓声に変わり、それは山々に対する賛美となってこだまする。
 いかなる悩み、問題を抱えていても、この日、この瞬間、我々は限りなく幸せだった。





「河口湖マッスルクラブ」秋季合宿 2

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 今回も「河口湖マッスルクラブ」の話題を。
 前回、お伝えしたとおり、先日、河口湖で「河口湖マッスルクラブ」の合宿が行われたが、マラソンコースの試走ということで、本番と同じコースを25キロほど走り、翌日は槍ヶ岳の美しい眺望を見に、信州の「蝶が岳」へ。
 このブログのタイトルの写真は、2年前にその「蝶が岳」に登った時の写真で、ボクの背景にはくっきりと槍ヶ岳の姿が・・・時期は10月初旬。この写真をクラブのメンバーに見せたら「次は絶対に一緒に行く!」と言って、今回は10名のメンバーが参加。
 だが山はいつも素晴らしい景色を見せてくれるとは限らない。山に限らず、イルカやクジラ、それにオーロラを見よう! と言うようなツアーもあるが、それもすべてが確約される訳ではない。自然の中で行われるすべての”行動“には保障はなく、だからこそ、その瞬間に巡り合えたとき、感動がより大きいのである。
 で、蝶が岳。
 実は今年の5月にも、この山の登頂を試みている。だがその時には残雪に拒まれ、頂上直下で登頂を断念。とても悔しい思いを味わっている。その時の敗因は準備不足にあった。つまりアイゼンなどの用意をきちんとしていなかったのだ。
 その苦い経験から、今回は装備も万全に。
 だがご覧の写真のように登山道は濃霧に包まれ、美しいはずの紅葉も白く霞んでいる。
 はたしてその頂上ではどのような景色が我々を待っているのか?
 それは次回の楽しみにとっておこう。 





「河口湖マッスルクラブ」秋季合宿 1

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 今回は久々に「河口湖マッスルクラブ」の話題を。
 毎年、11月の最終週の日曜日に日刊スポーツ主催「河口湖マラソン」が開催されているが、今年もあと数週間でその日がやってくる。
 もちろん「河口湖マッスルクラブ」のメンバーは、ほぼ全員出場するので、その一ヶ月前に「刺激注入」を目的に、河口湖合宿が行われた。
 まあ「河口湖マラソン」に限らず、いろいろな理由をこじつけては頻繁に集まって、心肺機能と筋肉のあちらこちらを苛めて、その後は料理を持ち寄って楽しく酒を飲んでいるのだが、今回の合宿はかなり本気だ。
 まずはマラソンコースの試走ということで、本番と同じコースを25キロほど走った。
 そしてその翌日は、もっと過酷にからだを痛めつけようとの目的・・・と言うのはウソで、槍ヶ岳の美しい眺望を見に、信州の「蝶が岳」登頂に・・・
 その話題は次回に譲るとして、ご覧の写真は河口湖の北岸を皆で走っているところ。
 一昨年のちょうど今頃、「平成の大合併」によって、我が村も「富士河口湖町」となったが、その効果かどうかは知らないが、かつては細くて車の往来が恐ろしかった道も、ほんの一部はこのようなジョギングや散歩の専用道路に。
 聞くところによると、諏訪湖の湖畔道は、そのほとんどがこのように整備されているとか。
 「富士河口湖町」に属する河口湖や西湖も、是非とも見習って欲しいものです。
 





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    木村東吉
    1958 年大阪生まれ。
    20代は雑誌「ポパイ」の顔としてファッションモデルとして活躍したが、その後、30 代に入りアウトドア関連の著作を多数執筆。
    現在は河口湖に拠点を置き、執筆、取材、キャンプ教室の指導、講演など、幅広く活動している。
    また各企業の広告などにも数多く出演しており、そのアドバイザーも務めている。

    詳しいプロフィールはこちら

    木村東吉公式サイト「グレートアウトドア」

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